正しいヘアケア
       ≫ 髪に優しいシャンプー方法          ≫ 上手なスタイリングの手順
         ≫ ドライヤーの上手な使い方         ≫ 髪のとかし方

 

髪は、3つの部分からできている。

1本の髪は、大きく分けると3つの層からなり、一番外側をキューティクル、中間部をコルテックス、中心部をメデュラといいます。

キューティクル
 一番外側のキューティクルは、かたいタンパク質が主成分。半透明のうろこ状のものが平たく 4〜10枚重なって、髪の内部組織を守る働きをしています。各層の表面には、キューティクル  を保護する脂質成分「MEA(18-メチルエイコサン酸)」が存在しています。MEAは最表面に  ある ため、摩擦にさらされ損なわれやすいのですが、髪のツヤや感触を左右しています。

コルテックス
 髪の85〜90%を占めるコルテックスは、繊維状のタンパク質が主成分。この部分のタンパク  質 ・脂質の構造や水分量が、髪の柔軟性や太さに影響します。また、主にこの部分に含ま  れてい るメラニンの種類と量によって、髪の色が決まります。

メデュラ
 髪の中心にあるメデュラは、やわらかなタンパク質が主成分。外的な刺激で空洞ができやす  い のが特徴です。ここに空洞がたくさんあると、透過する光が散乱して、髪が白っぽく色褪せ て見 えることがわかってきました。

 
 ■ 髪に優しいシャンプー方法 
 シャンプーで地肌や髪を清潔にするのは大切なことですが、洗い方が悪いと、キューティクルを傷つけてしまいます。以下の手順でやさしく洗い上げましょう。また、毎日シャンプーしていても、部分的に洗い残しがあると地肌トラブルの元になります。洗い残しやすい部分は、耳の後ろ〜襟足、女性の場合は耳の上辺りの頭回りです。まんべんなく洗うことを心がけましょう。

1.髪のもつれをとく
 髪は濡れると絡みやすくなるので、ロングの方はあらかじめ、目の粗いブラシやくし、あるいは 手ぐしでもつれ をといておきます。髪がもつれたままシャンプーすると、洗うとき無理な力が  か かり、ダメージや切れ毛の原因になります。

2.髪と地肌を十分に濡らす
 シャンプーの泡立ちをよくするために、髪と地肌を十分に濡らし、予洗いします。これは髪を傷 めず、地肌をまんべんなく洗うために、重要なポイント。シャンプーの泡は、汚れを落とすだけ で なく、髪同士の摩擦を防ぐ役目も果たします。

3.たっぷりの泡で洗う
 シャンプーを手のひらに取って、軽く泡立て、地肌の何箇所かに分けて塗布し、地肌を指の腹 でマッサージするように洗いましょう。マッサージは地肌全体に行き渡るように、特に耳の後ろ 〜襟足、耳の上辺りの頭回りの地肌は、洗いにくく、洗い残しやすい部分なのでていねいに。 髪はシャンプーの泡が行き渡れば、十分汚れが落ちます。

4.すすぎは十分に
 シャンプーが残らないように、髪に残った泡を軽く手で落としてからすすぎます。やはり、耳の  後ろ〜襟足、耳の上辺りの頭回り、生え際が残りやすいので、念入りに。

5.コンディショナーかトリートメントを
 適量を手に取り、毛先から髪全体になじませ、その後、十分にすすぎます。トリートメントは、  髪になじませた後、しばらくおくと、さらに効果的。

6.やさしくタオルドライする
 水気をふきとり、地肌を中心にタオルドライすると効率的です。髪同士をこすりあわせると、キ ューティクル同士がこすれ合って傷みやすいので、なるべく避けましょう。
 ■ 上手なスタイリングの手順 

ヘアスタイルがくずれる悩みの多くは、スタイリング方法に原因が。

上手にスタイリングしてヘアスタイルを長持ちさせるには、ヘアスタイルがきまったときに、根元から毛先まで髪全体がしっかりと乾いていることが大切です。けれども多くの人は、根元を乾かすステップを抜かしがち。ヘアスタイルがくずれるのは、髪全体が乾いていないからです。

1.根元から乾かす。
2.乾く間際に形づける。
3.髪全体をしっかり乾かす。

この3つが、上手なスタイリングのコツ。ヘアスタイルがきまったら、後頭部あたりの地肌に指を通して、毛先まで髪全体が乾いたことを確認しましょう。

最後に、ジェルやワックスなどのスタイリング剤をつけて仕上げです。

 ■ ドライヤーの使い方

ドライヤーで髪を根元や内側からしっかりと乾かすことが、ヘアスタイルを決め、長持ちさせるコツです。上手に使えば、ドライヤーで髪を傷めることはありません。髪が乾くタイミングを見極めて、必要以上に熱をかけないようにしましょう。

乾いてからの熱のかけすぎに注意!

髪は表面温度が100℃以上になると、変質して傷み始めます。ドライヤーの温風は熱く、噴き出し口では100℃を超えていますが、10cm以上離してかければ、かなり温度が下がります。また、濡れている間は髪の温度が上がりにくいので、熱による傷みはそれほど心配いりません。乾ききったとたん、急に温度が上がるので、乾きぎわの髪には熱風を続けて当てないようにしましょう。

髪がさらさらっとする、乾くタイミングを見極めて、必要以上の熱をかけないことがコツです。
髪が急激に乾燥すると、キューティクルがめくれあがってはがれやすくなります。また表面温度が100℃以上になると、髪の中のタンパク質や脂質が変質して、メデュラに空洞ができてしまいます。次のシャンプーのときに、髪内部の成分が流れ出やすくなり、さらに空洞が増えてしまいます。キューティクルがめくれ上がったり、毛髪内部の空洞が増えたりするとツヤが低下する原因になりますので注意しましょう。

 ■ 髪のとかし方
 

無理にとかすと、枝毛や切れ毛の原因に。

毎日のシャンプーやスタイリングなどで髪がこすれ合うことで、キューティクルは多かれ少なかれ、削れたりはがれたりしています。まして、髪を乱暴にとかしたりすることは、髪に大きなダメージを与えることに。例えば、髪の根元から毛先まで一気にとかした場合、もつれは毛先近くに集まり、無理にとかそうとすると髪に大きな力がかかります。その結果、キューティクルがはがれたり、コルテックスが裂けたり切れたりして、枝毛や切れ毛になってしまうのです。

髪をとかすときは、毛先からゆっくりと。

まず、毛先のもつれをていねいにときます。次に、髪の中ほどから毛先に向かってとかし、最後に根元からとかすようにします。また、濡れた髪はとても傷みやすいので、目の細かいブラシやくしを通すのは禁物です。髪が濡れているときは、目の粗いくしやブラシで、軽く流れを整える程度にしましょう。

すべりを良くして、キューティクルのダメージを少なくする。

濡れた髪は、表面のキューティクルがはがれやすい状態になっています。乾くまでの間、髪表面のすべりが良くなかったり、絡まったりする場合には、洗い流さないタイプのトリートメント剤などを使ってすべりを良くし、キューティクルにかかる負担を少なくするといいでしょう。